アジアにおけるオルタナティブな映画ネットワークを調査し、政治的・社会的な制約のもと、商業映画とは異なる場で、芸術としての映画の上映、制作、教育を行うコレクティブの実践と戦略を学びます。インドネシアでは、アート映画を通したコミュニティ運営や、地域の住民との協働を調査するとともに、日本とインドネシアの映画コレクティブ間の交流や、植民地主義の歴史と映画をテーマとした共同ワークショップ・上映会の可能性を探ります。タイでは、多様な団体と連携しながら実践されてきた上映会、短編映画祭、出版等の活動を調査し、また各都市で新たに立ち上がっている映画コレクティブや上映の場をつなぐ協働の実践についても学びます。こうした調査や交流を通して、アジアにおける持続的な映画コレクティブ・ネットワークの形成や協働の機会を生み出すことを目指します。

プロフィール 
川上 アチカ

映像作家、プロデューサー。2001年、日系アメリカ人強制収容を題材としたドキュメンタリー『Pilgrimage』でキリンアートアワード準優秀賞を受賞。以後、ドキュメンタリーや音楽家とのコラボレーションなど幅広く活動。伝統芸能に生きる人々を記録したドキュメンタリー短編作品『港家小柳IN-TUNE』(2015)、『鈴の音のする男』(2016)、『河内の語り屋』(2018)を発表。2023年、初の長編ドキュメンタリー『絶唱浪曲ストーリー』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映される。 IDA主催国際会議「Getting Real '24」のフェローに選出。コレクティブ「///」を立ち上げ、アジアの映画実践者とのネットワーク形成に取り組んでいる。

井戸沼 紀美
大学在学中、Jonas Mekasにニューヨークでインタビューを行い、渋谷で上映企画を実施。卒業後、株式会社CINRAにて約7年間、文化芸術分野の編集・企画に携わる。2018年より映画プロジェクト「肌蹴る光線」を始動し、独自に選定した作品の上映を行うほか、2024年には映画『石がある』の全国配給を手がけた。2023年から2025年までアートギャラリー「ときの忘れもの」にて広報を担当。執筆やインタビュー活動も手がけ、2024年にはコレクティブ「///」を設立し、アジアの映画実践者との連携を進めている。