2011年の震災後、福島や原発を題材に作家活動を始めた毒山さんは、社会の変化に翻弄される人々の感情や記憶を、ユーモアやアイロニーを交えて表現してきました。
今回のフェローシップでは、多文化が交錯する環境で新たな芸術実践を学び、日本や東アジアを異なる視点から見つめ直すことを目指します。特に、明治維新以降の日系移民の歴史や文化継承に注目し、アメリカ社会や美術への影響を調査します。また、現地の日系人との交流を通じて、個々の感情や視点にも触れ、相互理解を深めたいと考えています。

プロフィール
記憶やアイデンティティ、社会変化の影響を探求し、リサーチやコミュニティとの直接的な関わりを重視した作品やプロジェクトを手がける。これまでに「Between Memories and Objects」(2025年、広島市現代美術館)、あいちトリエンナーレ2019、「六本木クロッシング2019」(森美術館)などの展覧会のほか、ニューヨーク、ドイツ、スイス、中国など海外でも作品を発表。作品は、広島市現代美術館、カディスト、森美術館などに収蔵されている。