熊倉さんは近年、東南アジアの美術史と現代アーティストの実践を研究し、戦後さまざまな国のアーティストが草の根的に連帯した事例に着目したリサーチ・プロジェクトを行っています。インドネシアでのフェローシップでは、リサーチ・コレクティブとの協働を通じ、土地固有の歴史や課題に取り組みつつ、独自の国際的連帯を形成してきた現地のアートのエコロジーを調査します。また、現地アーティスト、大学、美術館、オルタナティブスペースなどとの交流を通し、アジアにおけるインディペンデント・キュレーターの可能性や役割について理解を深めると同時に、継続的な連帯とコラボレーションのためのネットワーク構築も目指します。

プロフィール
インディペンデント・キュレーター/ライター。2011年から2024年まで森美術館にてキュレーターを務め、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(2019)、「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」(2022)、「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」(2023)などを企画。また「サンシャワー」(2017)や「MAMリサーチ」シリーズを通じて、東南アジアの美術史と今日の実践の両方に着目した調査を重ねてきた。現在は国際的なリサーチ・プロジェクトのほか、国内外の美術展カタログや専門誌への寄稿、教育活動にも携わっている。