梅沢さんは、アートや音楽のフィールドで領域横断的な活動を展開し、サウンド、イメージなどを組み合わせた制作を行っています。国や個人の枠組みを超えて、社会や環境の問題を共に考えることを重視し、これまで国際的なフィールドワークを通じて、人と環境の関係性を探求してきました。
今回のフェローシップでは、人新世における「環境」の意味の変化を考察するとともに、近代美術史やサウンドアートにおける環境的アプローチをとった作品群やサウンドアートのアーカイブの調査を行います。また、音響彫刻の研究やニューヨークの実験・電子音楽のシーンとの交流を通して、制作とリサーチの深化を目指します。

プロフィール
環境での知覚や自然現象の複雑性への関心をもとに、サウンドやイメージを組み合わせた作品を制作。これまでにストックホルムのEMSやフランス国立視聴覚研究所INA-GRMで滞在制作を行い、フランスの氷河地帯や、イタリアの火山島などでフィールドワークも行っている。近年の主な展覧会に、「L’écologie des choses」(パリ日本文化会館、フランス、2025年)、「DANCING WITH ALL: The Ecology of Empathy」(金沢21世紀美術館、2024年)、「SUPERSENSIBLE」(台北、2023)など。リュック・フェラーリ国際コンクール / プレスク・リヤン賞 第1位 (フランス)、TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2019 Grand Prize (日本) など、受賞多数。作品は KADIST FOUNDATION などに収蔵されている。