チウさんは、人々の私的な物語や日常にある共通の経験を通して、通底する人間性や脆弱性を探究する映画監督です。
今回のフェローシップでは、沖縄に暮らす人々やコミュニティ、特に地域の地政学的緊張のもとで生きる人々の個人的な物語を調査・記録します。那覇を拠点に、沖縄各地を訪れ、慰霊施設や博物館を巡るとともに、地域住民や研究者、政治家、コミュニティ・グループとの交流を行います。オーラルヒストリー、アーカイブ調査、フィールドワークを通して、沖縄の複雑な歴史や社会的背景が、世代を超えた人間関係や記憶、日常生活にどのような影響を及ぼしているのかを探ります。自ら選んだものではない歴史とともに人々がどのように生きているのか、家庭はいかにしてレジリエンスの場となってきたのか、そして私たちの日常の葛藤がどのように静かに共有されているのかを理解することを目指しています。

プロフィール チウ・ヤン
中国出身の映画監督・写真家。メルボルン大学で学び、卒業制作の『Under the Sun』は、2015年のカンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門に選出され、台北金馬賞の最優秀短編映画賞にノミネートされた。2年後、『A Gentle Night』がカンヌ国際映画祭で短編映画パルム・ドールを受賞し、トロント国際映画祭では最優秀国際短編映画賞の特別賞(Honourable Mention)を受賞。2019年には『She Runs』がカンヌ国際映画祭批評家週間のLeitz Cine Discovery Prize for Best Short Filmを受賞。初の長編映画『Some Rain Must Fall』は、2024年のベルリン国際映画祭Encounters部門でプレミア上映され、同部門の特別審査員賞、トライベッカ映画祭の撮影賞と演技賞を受賞。また、金馬賞ではFIPRESCI賞を受賞し、最優秀新人監督賞および最優秀新人俳優賞にノミネートされた。米国映画芸術科学アカデミー会員。