米国で昨年同時期に6か月間フェローシップを行った毒山凡太郎さんと八幡亜樹さんによる報告会を開催しました。(八幡さんは台湾でレジデンス中のため、オンラインで参加。)それぞれのリサーチテーマに従い、アメリカ各地を訪問・滞在し、さまざまな体験や出会いを通して調査を進めました。
毒山凡太朗さん(ニューヨーク・フェローシップ|米国、2025年7月〜2025年12月)
2011年の震災後、福島や原発を題材に作家活動を始めた毒山さんは、近年日本人の移民の歴史とその文化についてリサーチをし、作品制作を行っています。今回のフェローシップでは、明治維新以降の日系移民の歴史や文化継承に着目して、西海岸の5つの都市とニューヨークで調査を展開しました。西海岸では各地で日系コミュニティが開催する盆踊りに参加したほか、各地の日系アメリカ人博物館やジャパンタウンを訪問。コミュニティの卓球クラブに通うなど、積極的に現地の人々と触れ合い、研究者と意見を交わす中で、各地のコミュニティの在り方や文化継承の仕方の違いを体感しました。
八幡亜樹さん(ニューヨーク・フェローシップ|米国、2025年7月〜2025年12月)
「辺境」をテーマに、フィールドワークや取材を経て、多層的な映像作品やインスタレーションを制作している八幡さんは、ニューヨークにおける移民コミュニティが、ディアスポラの状況の中でどのように文化的伝統を継承し、再解釈しているかをリサーチしました。またアリゾナ州で[JA2.1]ロードトリップを行い、ネイティブ・アメリカンの友人の案内のもと居留地を訪問。共同体の内部でのみ執り行われる特別な儀式に参加する機会を得るなど、フェローシップを通じて特に強く記憶に残る体験となりました。さらに、第二次世界大戦中にネイティブ・アメリカン居留地内に日系人収容所が建設されていた歴史を知り、この重層的な事実とどのように向き合うべきか熟慮を重ねながら、新たなリサーチテーマの探究を始めています。フェローシップ終了後も、滞在中に知り合った日系アメリカ人やネイティブ・アメリカンにルーツを持つアーティストとの交流やコラボレーションを継続しています。