パフォーマー、作曲家、音響詩人、インスタレーションアーティストであり、シアター・ディレクターとしても活動する足立さんは、長年拠点としていたドイツから近年金沢に戻り、2024年には金沢国際実験音楽祭を立ち上げました。活動の軸をアジアに移したことで、東南アジアにおける実験音楽の動向に着目し、本フェローシップでは、特に発展著しいベトナム、マレーシア、タイ、シンガポールにて、現地の音楽家やオーガナイザーと交流します。このような対話を通して、西洋中心的な音楽制度から離れ、芸術家の生活や社会との関わり、伝統との距離といった視点から考察を行います。その体験や知見を自身が金沢で主催する実験音楽祭の活動へと反映させることも目指しています。

Photo by Takayuki Imai, ©Aichi Triennale 2022

プロフィール
パフォーマー、作曲家、音響詩人、インスタレーションアーティスト、シアター・ディレクターとして、声、ライブエレクトロニクス、自作楽器を用いた即興パフォーマンスや、非音楽家との集団パフォーマンス、現代音楽の作曲、音響詩・視覚詩などの分野で活動。また、ジョン・ケージの重要作品《ユーロペラ 3 & 4》(2022年、あいちトリエンナーレ)、《ユーロペラ 5》(2007年、サントリーサマーフェスティバル)の日本初演を手がけ、2023年には「John Cage’s Japan」(Japan Society)をゲストキュレーション。2024年に金沢国際実験音楽祭を創設し、ディレクターを務める。これまでにテート・モダン、IRCAM/ポンピドゥーセンター、ZKM、ハンブルガー・バーンホフなどで公演。早稲田大学で哲学と美学を学び、2009〜2010年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの助成によりニューヨークでフェローシップを行う。DAAD招聘作曲家(2012)、アルス・エレクトロニカ Award of Distinction(2019)、佐治敬三賞(2022)受賞。