2025年度ACC日本グラント受賞者ならびに日本での審査にご協力いただいた審査員の皆さまを以下のとおり発表いたします。
>> PDFダウンロード「2025年度ACC日本 グラント受賞者発表」
>> 2025年度ACCグラント受賞者発表の全文はこちらから
2025年度ACC日本 グラント受賞者
(名字アルファベット順)
◆ ニューヨーク・フェローシップ (米国・6ヶ月) ◆
堀内 悠希 Yuuki HORIUCHI
ビジュアルアート
アメリカ郊外に点在する大型作品の制作と同時に、多くの発表やアーカイブ制作をニューヨークで行なったロバート・スミッソンとその同世代作家を調査し、都市と遠方という2つの場所を巡る制作と発表のあり方を考察する。現地の専門家やアーティストらとの交流を通じ、ランドアートにおけるアーカイブの有効性、また作品に内在する自然現象や都市から田舎への眼差しを調査する。調査と並行し、ニューメキシコ州のホルト/スミッソン財団、ユタ州のホルト作品『The Sun Tunnel』、ウォルター・デ・マリアの『The Lightning Field』等を視察する。
Blanchette Hooker Rockefeller (BHR) Memorial Fellow(ブランシェット・フーカ―・ロックフェラー(BHR)メモリアルフェロー)*1
Photo by Rosie Kennedy
向井 航 Wataru MUKAI
音楽
今日のニューヨークの現代音楽および現代アートシーンで、クィアがどのように受容、表象されているかをリサーチし、またアカデミックな現場におけるクィアな音楽実践の研究や教育についても調査を行う。現地で活動するドラァグパフォーマーをはじめ、クィアアーティストや活動家、大学教授や作曲家との交流を通して自身の創作を見つめ直すと同時に、クィアアートの概念と実践を再定義し、新たなクィアのカルチュラル・アーカイブを構築することを目指している。
Photo by Ayane Shindo
筒 | tsu-tsu
演劇
実在の人物を取材し演じ、自身の身体の中に他者との対話空間を生む試みと捉える「ドキュメンタリーアクティング」の手法をアメリカ社会において批判的に検討し、そこから導き出される多文化共生の新たなモデルの提示を試みる。具体的には、公共政策の研究者や、セラピューティック・コミュニティの実践者らと連携し、同一生年月日の人物を探して演じるプロジェクト「01-25-1997」を通し、「想像による越境」という理想がどこまで現実の課題に迫れるかを検証する。
ACC / Saison Foundation Fellow *2
Photo by Ryu Ika
◆ 個人フェローシップ ◆
足立 智美 Tomomi ADACHI(日本→ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール 、1ヶ月)
音楽
足立(ACC 2009)は、金沢に拠点を移し、金沢国際実験音楽祭を開催するなかで、東南アジアにおける実験音楽の状況に関心を抱き、特に発展著しい、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポールを訪問し調査を行う。現地の音楽家ならびにオーガナイザーとの交流を通して国際的な対話を築き、その経験を西洋中心的な音楽の枠組みから離れたところで、日本の地方都市における自身の活動実践に活かすことを目指す。
Photo by Takayuki Imai, ©Aichi Triennale 2022
千賀 健史 Kenji CHIGA(日本 → インド、1ヶ月)
映画・ビデオ・写真
撮影を通じて、インド国内でも特に貧困層の村と交流を行い、現地で行われている芝居活動に積極的に参加しながら取材を行う。村の人々が運営している演技クラスを訪問し、彼らの活動を支援する人々とも交流を行う。インドにおいて、彼らに与えられた役とは別の役を模索し、演技がもたらす文化的意味、精神的役割、役割を演じることによる社会への発信について、より深い考察を得ることを目的としている。
熊倉 晴子 Haruko KUMAKURA(日本 → インドネシア、3ヶ月)
キュレーション
インドネシアにおいて、土地固有の歴史や問題に独自に取り組みながら、国境を超えた連帯を構築し、国際的な存在感を高めている現地のアートのエコロジーを調査する。アーティスト、大学、美術館、オルタナティブスペースなどをリサーチし、新しい現代美術の拠点を探求することにより、アジアにおけるインディペンデント・キュレーターの可能性や役割について理解を深め、継続的な連帯とコラボレーションのためのネットワークを構築することを目指している。
Photo by Mikuriya Shinichiro
黒田 杏菜 Anna KURODA(日本→ 米国、2ヶ月)
ダンス
主にニューヨークを拠点にトリシャ・ブラウン・ダンス・カンパニー(TBDC)に焦点を当て、ポストモダンダンスの観点からダンスの持続可能性について研究する。また、TBDCとマース・カニンガム・ダンス・カンパニーのリハーサルに参加を予定している。リハーサルの見学を通して、両カンパニーの異なる動きを学び、ダンサーたちが今後どのように踊り続け、振付を後世に伝えていくのかを研究する。
ACC / Saison Foundation Fellow *2
Photo by Eri Chiba
*1「Blanchette Hooker Rockefeller (BHR) Memorial Fellow(ブランシェット・フーカ―・ロックフェラー(BHR)メモリアルフェロー)」は、ビジュアルアート分野のグランティ1名に授与しています。
*2「ACC / Saison Foundation Fellow」は、公益財団法人セゾン文化財団による助成金が充当される活動に授与しています。
2025年度ACC日本 グラント審査員
(敬称略、名字アルファベット順)
ビジュアルアート分野
橋本梓(国立国際美術館 主任研究員)
平野到(埼玉県立近代美術館 副館長)
鷲田めるろ(金沢21世紀美術館 館長/東京藝術大学 准教授)
パフォーミングアーツ分野
内藤美奈子(東京芸術劇場 制作担当課長)
小野晋司(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 チーフプロデューサー/横浜赤レンガ倉庫1号館 館長)
音楽分野
柿沼敏江(京都市立芸術大学 名誉教授)
沼野雄司(桐朋学園大学音楽学部 教授)
建築分野
五十嵐太郎(東北大学大学院工学研究科・工学部 教授)
助成
公益財団法人セゾン文化財団
公益社団法人企業メセナ協議会 社会創造アーツファンド
一般財団法人アジアン・カルチュラル・カウンシル (ACC) 日本財団
104-0031 東京都中央区京橋三丁目12-7 京橋山本ビル4F
Tel: 03-3535-0287 FAX: 03-3535-5565
Email: acc@accjpn.org
Web (日本語): http://asianculturalcouncil.org/ja/