助成事業(フェローシップ&グラント)
アジアン・カルチュラル・カウンシルは、アーティストや研究者、アートの専門家がアートの分野における文化交流活動を支援するためのフェローシップ(研究奨学金)やグラント(助成金)を提供しています。
調査、研修、研究、探求といったプロセスに主眼をおいた活動など、没頭・集中できる文化体験の機会、人と人の関係性の強化、コラボレーション、専門分野における技能や知識の交換といった活動が最も重要であると考えます。よって、ACCはツアーや公演・展覧会の開催、出版や作品制作といった制作に主眼がおいた活動の支援を目的としておりません。
また資金の提供以外に、ACCはグラント受給者に渡航滞在での行動計画における支援やアドバイスも行っています。支援の内容はグラントのタイプや渡航先、また各グラント受給者の活動内容によっても異なりますが、主に、訪問先や参加イベントや活動のアドバイス、現地の専門分野の連絡先の紹介、国際的に広がるACCのグランティやパートナーへの紹介などを行い、そして、米国への渡航者においてはJ-1 ビザの提供を行っています。ACCは、1964年以来、6,000件もの交流活動を支援してまいりました。資金の提供とともに、アドバイス、フィードバック、人への紹介などが一体となり、ACCのプログラムはグラント提供期間を超えた異文化間の結びつきをより強固にしていく関係性を作り上げているのです。
よりよい申請には、最低限の応募資格をクリアすることはもちろんのこと、ACCが目指す支援内容や、プログラムにおいて重要視されているポイント、また、提供できる資金に合致している必要があります。申請の提出前に、以下のすべての項目をよくお読みのうえ、ご検討下さい。
このガイドラインでは、ACCのフェローシップやグラントプログラム全体のガイドラインを記しています。各プログラムによって応募資格が異なったり、年度によって支援対象が変わっている場合もございます。各プログラムの今年度のガイドラインは各プログラムページで御覧ください。
個人の申請者(個人フェローシップ、ニューヨーク・フェローシップ、大学院スカラシップ、トラベルグラントへの申請者)
・ 対象国/地域に拠点をおいているか市民権を持つ方であること
・ 対象分野においてアーティスト、研究者、専門家として活動されていること
団体・プロジェクト申請者
・ 対象国/地域に拠点があること
・ 非営利や非政府団体として登録がされていること、または、資金の受け入れ先として協力できる非営利や非政府団体があること
・ 申請プロジェクトに参加する参加者のうち、上記の個人申請者の応募条件にすべて該当する参加者の資金のみをACCに申請すること
助成金の使途について
各プログラムのガイドラインに特別の記載がない限り、すべてのフェローシップ、グラントプログラムにおいて、ACCは対象国/地域(複数も可)への国際渡航を含んだ活動のみ支援対象といたします。
ACCの支援金の使途は、渡航と調査に関する費用に限ります。調査は創作や研究、専門分野における探求を含む、様々な活動を想定することができるでしょう。以下は使途の一部の例ですが、ご参考になさってください:
・ 旅費の使途:国際航空券代、現地での交通費、ビザ申請に関する費用、旅行保険、宿泊費、渡航先における健康保険、生活費
・ 調査費の使途:文化施設やイベントの入場料やチケット料金、ワークショップや研修クラスへの参加費、必要に応じた通訳費用*
*有償の通訳を多数要するプロジェクトは、資金援助の対象にならない場合がほとんどです。
助成対象とならない費用:
・母国もしくは既に居住している国における研究・活動、国際渡航をともなわない活動
・コマーシャルデザイン、工業デザインを含む、商業活動に類するもの
・作品制作費(映画、ビデオ作品制作における撮影やそのための旅費を含む)
・展覧会や上映、上演、ライブのツアー費用
・出版経費
・芸術教育活動
・学部大学や専門学校への留学費用
・学費(大学院やそれ以上の専門課程における留学のみ、渡航費と生活費の一部を助成します)
・渡航開始期間以外に実施される活動や事業
・アーティストフィー(ギャランティ)
・ACCの助成金を他への助成金として交付する活動
ニューヨーク・フェローシップ(ニューヨークへの渡航滞在)
ニューヨークに6ヶ月滞在するフェローシッププログラム。ACCのスタッフによる様々なアドバイスやサポートを受けることができます。的を絞った調査、研究のほか、新しい出会いや発見をもとめるような文化的な体験を目的とします。
個人フェローシップ
1ヶ月から6ヶ月の範囲で行う個人調査滞在への支援プログラム。一人もしくは二人での渡航が条件です。博士号等の論文作成に必要な長期調査滞在における旅費の一部として申請することも可能です。ACCスタッフからのアドバイスやサポートも必要に応じて提供します。
大学院スカラシップ
アジア地域から米国に留学する学生の生活費を支援。母国では研究が難しい分野において、米国での研究が必須であるという条件が望まれます。また、母国において求められながらも研究が進んでいない分野であることも優先されます。
団体助成
団体助成は通常、ACCの「個人フェローシップ」の受給者が経験しうるもの(異文化に没入し、調査や研究、トレーニング、同分野で仕事を行う人々との交流やプロセスを重視した活動)を享受できるプロジェクト参加者が行う文化交流の機会を支援するものです。